生前整理と聞くと、ネガティブな印象を持つ方もいるかもしれません。しかし、早めに身の回りを整理することで、家族への負担を減らし、自分自身の暮らしも整えることができます。
一方で、「思ったより大変だった」「どこから始めればいいのかわからない」と悩む方も少なくありません。
今回は、生前整理のデメリットについて解説します。やることリストや業者選びのコツについても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
生前整理を行う5つのデメリット
生前整理のデメリットは、主に以下の5つが挙げられます。
- 仕分けや整理に時間がかかる
- 体力的・精神的に大きな労力を伴う
- 不用品処分や贈与税など費用がかかる
- 処分した後に後悔する可能性がある
- 業者選びを間違えるとトラブルの危険性がある
具体的に解説します。
仕分けや整理に時間がかかる
生前整理では、これまでの人生で積み重ねてきた持ち物をひとつずつ見直し、「残す」「処分する」などの判断を行うため、物理的に多くの時間が必要です。
整理する物の中には、思い出の品や書類などが含まれているため、慎重に判断をすべきものも多く、スムーズに作業が進むとは限りません。
持ち物の量や判断するスピードにもよりますが、スケジュールに余裕を持って計画的に取り組むことが重要です。
体力的・精神的に大きな労力を伴う
生前整理を行う上では、体力的にも精神的にも大きな労力を伴います。
たとえば、家具を動かしたり、荷物を運んだりといった物理的な負担に加え、銀行口座や保険などの財産整理、パソコンやスマートフォンの中にあるデジタルデータの管理があります。
さらに、大切な思い出の品を手放す決断には、感情的な葛藤が伴うため、精神的にも大きなストレスに繋がりやすく、無理のない範囲で少しずつ進めることが大切です。
不用品処分や贈与税など費用がかかる
大型家具や家電などの不用品を処分する際には、自治体の粗大ゴミ回収や専門業者の利用によって回収費用や処分費用が発生します。
相続を前提に現金や不動産、有価証券を整理する際は、贈与税や相続税が発生する可能性もあるため、事前の情報収集や専門家への相談が不可欠です。
費用負担を少しでも軽減したい場合は、再利用できる品をリサイクルショップや不用品回収業者に引き取ってもらい、破棄せずに売るという選択肢も検討しましょう。
処分した後に後悔する可能性がある
可能な限り身の回りのものを整理しておこうと思い切って処分した場合、後から「あれはまだ処分しなくて良かったかも」と後悔する可能性があります。
特に自分では不要だと思っても、家族にとっては思い入れのある品や貴重な書類であることもあるため、慎重に扱わなければなりません。
一度で全てを処分しようとせず、優先順位をつけながら段階的に整理を進めて後悔を避けるようにしましょう。
業者選びを間違えるとトラブルの危険性がある
近年では、生前整理の需要が高まっている一方で、悪徳業者によるトラブルも報告されています。
不当に高額な料金を請求されたり、大切な品を無断で処分されたりといった被害が発生しているため、注意が必要です。
信頼できる業者を見極めるためには、依頼前に口コミや実績、許可証の有無などをしっかり確認してください。
生前整理を行って得られるメリット
生前整理を行うことはデメリットだけではありません。続いては、生前整理で得られるメリットを3つ解説します。
- 家族の負担を減らせる
- 相続トラブルの防止に繋がる
- 人生の再設計がしやすくなる
家族の負担を減らせる
生前整理を自ら行うことで、遺族にかかる精神的・肉体的な負担を大幅に減らせるという点はメリットです。
通常、遺品整理は家族が行いますが、持ち物の量が多いほど時間も労力もかかります。
また、故人の遺品を整理するという行為自体が、精神的に大きなプレッシャーとなることも少なくありません。
悲しみと向き合いながら、何を残すか、どう処分するかを決めるのは、心の整理が追いつかない遺族にとってはとても辛い作業です。
生前に不用品を処分し、必要な書類や貴重品を整理しておけば、家族が最小限の負担で整理を進められるでしょう。
相続トラブルの防止に繋がる
財産の分配に関するトラブルは、家族間で最も発生しやすい問題のひとつです。
生前のうちに自分の持ち物や資産を一覧整理し、どのようにしたいかという意思を明確にしておけば、相続時の混乱を未然に防ぐことができます。
生前整理は、物の整理だけでなく、相続の準備としての役割も果たす大切な取り組みなのです。
人生の再設計がしやすくなる
生前整理を行うと、持ち物だけでなく、自分自身の価値観や今後の人生設計を見つめ直すきっかけになります。
今後も本当に必要なものは何か、どのように老後を過ごしたいのかといったテーマに向き合う時間が得られるのは、生前整理ならではの大きな利点です。
物が少なくなって生活空間が整えば、心にも余裕が生まれて日常生活がより快適になるでしょう。
生前整理のやることリスト
生前整理をスムーズに進めるためには、計画的に少しずつ進めることが大切です。自身の状況に合わせて、下記のやることリストを参考にしてみてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 1.持ち物の断捨離 | 日常品や趣味の道具などを「残す・処分する」に分類する |
| 2.不用品の処分 | 家具・家電など大型の物は、処分方法を確認しリサイクルや買取の利用も検討する |
| 3.思い出の品の整理 | 写真・手紙など感情的に大切な物は、スマートフォンで撮影してデータ化するなど無理のない整理をする |
| 4.書類の整理 | 通帳、保険、契約書類など重要な書類をまとめ、所在を明確にして保管する |
| 5.デジタル機器とデータの整理 | スマートフォンやパソコン内のデータを削除やバックアップしておく IDやパスワードも一覧にしておくと良い |
| 6.持ち物リストの作成 | 家族と情報共有できる状態にするために自分の所有物を一覧にしておく |
| 7.貴重品や資産の整理 | 預金、有価証券、不動産などの保有資産を洗い出し、保管場所や管理方法をまとめておく |
| 8.処分や引き継ぎの意思表示 | どの物をどうして欲しいか（譲る、処分するなど）家族に伝える準備をしておく |
| 9.形見分けの準備 | 無理のない範囲で、親しい人への品物を決めておく |
| 10.専門家や業者の検討 | 整理が難しい部分は、生前整理業者や不用品回収業者への依頼も視野に入れる |
生前整理で気をつけるポイント3つ
生前整理を実際に始める際に気をつけるポイントは以下のとおりです。
- 重要な書類や契約書は捨てない
- 家族と相談して必要な情報を共有する
- 専門業者に相談する
順番に解説します。
重要な書類や契約書は捨てない
通帳、保険証券、遺言書、契約書など、法的・金銭的な価値のある書類は慎重に取り扱いましょう。
生前整理を行っている際は不要だと判断しても、家族にとって必要となり、将来的に困る可能性があります。
簡単に処分せず、重要な書類や契約書はわかりやすく保管しておくことが大切です。
家族と相談して必要な情報を共有する
生前整理は自分一人だけで完結しないため、家族と相談して必要な情報を共有することが重要です。
たとえば、パソコンやスマートフォンに保存されている写真や文章、ネット銀行や証券口座、SNSなどのアカウント情報は、亡くなった後に家族がアクセスできずに困るケースがあります。
IDやパスワードといった必要な情報をまとめておけば、家族が必要な時にスムーズに対応できます。
専門業者に相談する
生前整理を自分だけで進めるのが難しい場合は、専門業者へ依頼するという選択肢も検討しましょう。
たとえば、運び出しが困難な大型家具や、処分方法が不明なパソコン・スマートフォンなどのデジタル機器も、プロに依頼すればスムーズに対応できます。
さらに、不用品の中には買取対象になる可能性があり、不用品回収業者や生前整理業者を活用することで、費用を抑えながら効率的に整理が進められます。
生前整理を業者に依頼する場合の料金相場
生前整理を業者に依頼する場合、間取りによって費用は大きく変動します。費用相場は以下のとおりです。
| 間取り | 料金相場 |
|---|---|
| 1K | 3〜8万円 |
| 1LDK | 5〜16万円 |
| 2LDK | 8〜20万円 |
| 3LDK | 13〜30万円 |
| 4LDK〜 | 22〜60万円 |
なお、最終的な料金は、整理する物の分別量・作業効率度合い・搬出ルート・廃棄物量・オプションなどから決まることが多いため、予め見積もりをとって確認してください。
失敗しない生前整理業者の選び方
安心して生前整理を任せるためには、業者選びが重要です。以下の4つのポイントを押さえて選びましょう。
- 実績や事例を確認する
- 料金やサービスの対応範囲を確認する
- 古物商許可の有無を確認する
- 担当者との相性や対応スピードを確認する
実績や事例を確認する
生前整理業者の実績や事例を確認し、対応力や信頼性を見極めましょう。
ホームページに写真付きの事例が紹介されているか確認をしたり、Googleマップや業者比較サイトの口コミを確認したりする方法も有効です。
料金やサービスの対応範囲を確認する
ホームページの料金ページを参考にしながら、実際に複数者へ見積もりをとって比較をし、料金や対応範囲を確認することも重要です。
基本料金だけでなく、仕分け、梱包、運搬、供養、不用品買取など、どこまで含まれているのかを確認して自分に合った業者を選んでください。
古物商許可の有無を確認する
業者が古物商許可を取得しているかを確認しましょう。
古物商許可とは、中古品の売買や買取を行う際に必要な許可で、都道府県の公安委員会から発行されます。
この許可を持つ業者は、適切な手続きで中古品の取り扱いが可能であり、許可番号が明記されているか確認することで安心して取引ができます。
担当者との相性や対応スピードを確認する
初回の問い合わせ時の対応や、見積もり提出までのスピード、質問への回答の丁寧さなどを通じて、担当者との相性や業者の対応力を判断しましょう。
信頼できる業者であれば、迅速かつ誠実な対応を心がけているはずです。
さらに詳しい生前整理業者の選び方や安く抑える方法については、以下の記事で紹介しています。
関連記事：生前整理業者の選び方7つ！料金相場や安く抑える方法も解説
まとめ：生前整理のデメリットに注意して計画的に進めよう！
生前整理は「これからの人生をより良くするための前向きな準備」です。
時間や労力がかかるというデメリットはありますが、家族の負担を軽減して自分らしい生活を整えられる大きなメリットもあります。
後悔のない整理を行うために、早めに取り組み、必要に応じて信頼できる業者を活用しましょう。
再良市場は、古物商許可の取得もしており、不用品の中から買取可能な物であれば生前整理の負担金額から買取分を差し引くことが可能です。
見積もりは無料なので、ぜひお気軽にご相談ください！
